M-1
◇最初の10分で、アンタッチャブルの勝利は決まったんじゃないでしょうか
冒頭アンタッチャブルの入場シーンで
彼等は、彼等の最も得意とするフィールドに、M-1を変えていました。
島田伸介と松本人志が居なかった事も、プラスに働いていると思います。
しかしこれでよかったかどうか、という問題は、当然出てしかるべきでしょう。
2004 M-1は、M-1ではなく、ただのバラエティ番組になったという事です。
そして、最もTVという場数を踏んでいるチームに、有利な会場なりました。
良くも悪くも、アンタッチャブルは賢かった。
そして8組の中で、最も嗅覚の優れたコンビだったのでしょう。


◇そしてもう一つ、指摘しておかなければいけない事。
島田伸介と松本人志という存在は、M-1において最も、シリアスな面を担ってました。
そして、彼等二人がいないことによって、
番組サイドの思惑を、完璧に映像化しやすくなりました。
コチラ側を完璧に騙せる余裕が、出来たのです。
今までのような、ピリピリとした空間は、M-1の一つの特徴だったのですが
それが逆に、番組制作サイドの思惑を狂わせる、要因でもありました。


◇個人的には、過去のM-1の中で最も
「ヤラセ」という言葉から、遠い仕上がりだったと思います。
(出場者には、ちょっと可愛そうな話しですが…)
安田大サーカスの団長が、ギャグの半分、悔しさの余り半分で吐いた
「こんなもんヤラセや!」
という台詞は、どちらにしても、カットするべきでは無かったのではないでしょうか。


と、言う事を踏まえた上で、M-1を語らせて頂きます。


◇千鳥
割と好きなコンビなんだけど、これはあんまおもろなかった。
何だろう。
制限時間のある場、と言う事を考慮したら、ネタはこれじゃないだろう。
そこが、何回かオチになってるんだけど
早口じゃ、伝わり辛いし、展開をスムーズにしちゃうと面白くないし…
やっぱ、このネタじゃないと思う。トップと言う事も差し引いても。
けど、もしかしたらピリピリしたM-1を、頭に入れてこのネタだったのかも。
そうだとしたら、ご愁傷様です。


タカアンドトシ
これまた、好きなコンビ。
これはもう、M-1という場を考慮した上で相当練りに練った。
と、言う事が気になるネタだった。
しかし、上手い。
最初ガッチガチだった二人も、客に釣られ、前のめりにテンポアップ。
生の下手さが、思いっきり露呈したが、
M-1というルールの、個人的解釈では、もっと点数が上。
せめて、中盤だったら、10点〜30点違っただろうに。
人間力は乏しいが、ネタはうっとおし過ぎず、単純過ぎず
バランスがとれていた。腹は抱えないが、確実に面白い。


東京ダイナマイト
俺ん中で、一番期待してたのが東ダイ
でも、面白くなかった。
頭のネタはZERO-ONEか?(火祭り刀)プロレス好きじゃないと、分からないぞ。
ハチミツ二郎の、ボケの二つ先をツッコむボケが
まったく機能していなかった。間が悪すぎる。緊張?
それと、前述した、普通のバラエティ番組の空気に
一番フィットしていなかったように感じた。
場数を踏めば、順当に面白くなってくれる人達だから、心配はしない。
もうちょい、性格が悪くても(悪そうに見えても)いいかもしんない。


トータルテンボス
何か、とんでもない事してくれるかなー
と思ったけど、一番オーソドックスな漫才だった。
言葉のチョイスが違うだけで。
まー、そこが面白いんかもしんないけど
それだけじゃない所に好感を持ってたので、
折角の大舞台では、勿体無いネタだなと、思った。
同じタイプのボケが多い所とか。
結構上手いんだから、それこそフロンティア精神で頑張れ。
今日のハイライトは、今日に限っては邪魔。
焦ってやるくらいなら、やらなくても大丈夫。
真面目だからなんだろうなぁ。


南海キャンディーズ
おもろい。
キングオブコメディーとか、コレみたいなの
俺は、物凄く好み。
けど、こいつ等も同じタイプのボケが、重なるのが気になる。
山ちゃんだけじゃ、無くなってきているなぁとは、思う。
彼等見たの数回だけど、決勝のネタの頃にはもう飽きてた。
タイミングが、重要なボケのポイントになっていると
2度目、3度目に大きな笑いが生まれない。
別のパターンのネタ、もってないのかこいつ等は。
と、なるような気がします。
それと皆さん。
新鮮だから面白いってのは、どーかと思いますよ。
来年は、今年の笑い飯のように面白くなくなったって
みんな言うんですか?
面白ければそれでいい、って言っておいて、そりゃないでしょう。
それで、台本だ。ヤラセだ。ってのはどうかと思いますよ。
真剣にネタ考えている人達が、可哀相っすよ。
閑話休題
しずちゃんのキャラが一人歩きしたら、もう最後。
新喜劇ノリにグァーと流れるでしょう。
残念な話しだねぇ。


POISON GIRL BAND
唯一嫌いなコンビ。
だったが、これまで見た彼等のネタの中で、一番面白かった。
ちょっと、俺の見るポイントが、違かっただけかもしんないけど。
ルックスは、相当うっとおしいが
自身満万であの漫才をやられると、もうなんかおもろかった。
別に上手いとも思わないし、
シュールか?言われると、普通だし。
優勝か?言われたら、確実にNOと言えるのだけは、確か。
まー、今まで悪い印象だった分、高評価って感じ。


笑い飯
んー。すべりましたね。
多分、TV出過ぎだな。
過去2回に比べ、露出の割合が増えるって事は、
出れば出るほど、自分の首をしめるっつー事でしょ。
出れば出るほど、上手くなってなきゃいけないんだから。
期待が高すぎた分、一番厳しい状況。人は飽きる。
コレが彼等のピークと思われるのは可哀相。
あーでも、また制限時間過ぎてんのよ、こいつ等。
一回くらい、ルール守ってくれよ。って言っても無駄か。
判ってると思うけど、すべった時の制限時間無視に
ネットの意見は、厳しいよきっと
哲夫がビビって見えたのは、俺の気のせい?


アンタッチャブル
別に大した事やってないし、目新しい漫才でもないんだけどなぁ
何で、コンナ面白いんだろ。
きっと、伊集院光のラジオ好きは、
好きな人多いと思うけど、
俺も、贔屓目に見ちゃってるのかなぁ?
いい所は、場の空気を作る事も、読む事も物凄く上手い所。
声がデカイ所。ボケてなくても、ボケた空気がずっとある所。
面白いことを言うんじゃなくて、
面白い空気を作るのが、上手いんだねぇ。
一本目のネタは、完全柴田が引っ張ってた。
前回もそうだけど、山崎はボケるタイミングが、早い。
そう感じた時は、柴田が長めにつっこむ。
台本どうりの間の時は、タイトにつっこむ。
そういった、当たり前の事を、当たり前に堂々とやってるから
見てて、悪い印象が無いし、外さない。
ただやっぱり、TV出まくってる彼等を
わざわざM-1に出した理由が分からない。


麒麟
見るたびに、上手くなってる。偉い。
決勝の三組の、決勝時のネタの中では、一番面白かった。
と、思ったけど一票も入ってなかった。
えー、完全1発目の印象、引きずってるじゃん。
って思ったけど、人は人。なに考えてるか、分からないからな。
しかし、田村は同じツッコミしか出来ないのかな?
川島が一人で、漫才のテンポを、コントロールしてる様に見えた。
色々、引っ掻き回すんだけど
結局同じ辺りに、着地した様に見えるのは、そのせい。
でも、川島の印象も変わるような、ネタにしたらどうなるんだろう。
ふんどし一丁で、熱湯風呂に入るようなイメージが、沸かない所が弱点か。
もっと、若手が出まくる番組に出て欲しい。
トークじゃなくて、体張るような番組に。




と、まぁこんな感じです。
関西と関東のお笑い好きの間で、完全に壁が出来てるって思いました。
当たり前の違いが真逆に出てます。
今後は好みだけの世界になるのでしょうか?
そうならない為に、M-1ってあるんちゃうんか。
ネタと技術。好きと嫌い。を完全に分けろや。
アホちゃうんかおまいら。
なーんてね。お疲れ様でした。