土俵ガール


親から子供への期待は呪いなのか(GOLDに近い問題設定)。親の庇護下にある状態という誰もが持つ過去のアーカイヴが現在の足を引っ張る。またその時代の他者評価が高ければ高いほど、アーカイヴのリセットが困難だしアーカイヴはパーソナリティを剥奪する。モデルも相撲も、実力勝負の上にべったりと芸能としての社会的評価が貼りつくという意味では近い存在。いくら相撲が好きでも、どこまで強くても、頑張っていても女性は土俵をまたげない。つまり努力は報われない。しかもモデル体型。相撲体型。ジャンルがそのままモテに変換されてしまう。そして誰だって努力によってかわいくなれる。可愛くなって好きな人に振り向いてもらえれば、努力は報われる。対戦ゲームの描写は現代的なカッコいい闘いの暗喩。中村倫也うまい。