ドラマ

臨場。ヘラヘラした浮浪者の事件なんか良い話だった気がする。黒髪清楚乙女を引っくり返して浮浪者に聖性を持たせてるだけで、やってる事は同じなんだけど、実際に黒髪清楚が出てきて彼女のおはようございますに一喜一憂する浮浪者が、男の構図に見事にハマってても楽しそうだった(Noエロスでも)萌えって細かく定義しなおされて、正直もう知らねーよって次元なんだけど、あの浮浪者が彼女に抱いてた感情は萌えじゃないかなー


怪物くん。これものによっては、稲森いずみが人間との間に子供をつくるっていう展開の方が定石のパターンだよね。あでもそれじゃ人種問題か。ビヨンセとかいて人種問題もねーわな。むしろ怪物くんをアメリカに例えた方が…


素直になれなくて。ドクターと宗佑さんって基本近いんだけど、宗佑さんと違って始めから共同体の中にいても、異物としての存在感がハンパないっていうのはある種絶望的。ラストフレンズではこういう出会い方じゃなければって留保があったけど、すななれでその言い訳は使えない。つかラストフレンズに比べて、全員明確にアレなやつらの集まりっていう…でもこれをロスジェネ的逃避作法として読み替えると彼等の背景にある寄る辺なさとか厭世観に感染出来るんだけど、それを担う吉川や渡辺等の”大人”の人の演出の下手さなのか、あえてなのか、ぼんやりとしか見えないのがダメ


ハガネの女。難しいとは思うんだけど、一話一人の関係性だけじゃなくて、地域の流れが見えるともっといい気が。生徒の横のつながりは見えるんだけど、親同士の横のつながりが見えない。って思ってたら、今回の話を見てるとそこが壊れてるのね。親の背景を描くさいにどうしてもモンスターペアレンツって演出になっちゃう難しい。一話はそれの裏かえしだったんだけど。少し話は逸れるが、ドラマとは言え子供を殺したらすごい。そもそもゲスト以外の人が死ぬドラマ自体が無いのだから。しかし実際に子どもが死ぬ事件はたまにある訳で…オウム、震災、テロ、辺りで(昔も言われてたんだろうけど)現実の方がフィクションに勝るという言説が増えてきて。現状ではもはやフィクションが現実を飛び越える何て誰も信じてないふしがあるが、現実に無いルールがドラマ内にあったらそら無理だ。だからダーティハリー問題というのはまず、現実の土台から始めようっていう問題定義でしか無い筈なのにそこすら…またヒーローモノ、戦隊モノ、幾つかのアニメ等、子供向けと言われるジャンルでは、それが出来る土台が残っているので未だに可能性を感じるんだけど、ここにはここの問題が有り、子供向けとそれ以外でルールが変わる問題って、教育制度と社会制度のズレと同じ問題だ。子供の頃は大人向けは過激って思ってたけど逆ですね。しかし主役が意思を持って暴力を振るにはどうしたらいいのかは、ここ数年のドラマではかなり大きい命題として、数々のドラマ内で扱われているので、「日本のドラマ(TV局)糞」と脊髄反射で感情論に突入するのは早計だ。昔は出来ていた事だからバカバカしいんのは分かる。実際相手はナイフ、主役は相手に暴力を奮ってはいけませんってルールの話がすごく多い。ヤンキーが改心したりするのは全部そうだし、いじめドラマもそう。サマーウォーズを始め母性のドラマも男が振るえない暴力性を女が仮託しているからこそ描けるテーマだ(そんな中、中野Pのドラマは肉薄してる)。こういう話が多いって事は、現実はナイフを持ってるのにドラマはナイフを持てないなら、どうやって現実に立ち向かうかというドラマそのものへのメタファーでもある。今「いや殴ろうよ」という態度がいかに難しいか。現実には殴れない相手をフィクションで殴ってスッキリ溜飲を下げるって全く生産的じゃないけど初期衝動として気持ちイイ。社会が暗いからって暗いものだけが見たいわけじゃないし。その暴力の先に責任が生まれてそれを引き受けるドラマが見たいんだよね。そんなダーティハリー問題を描くとしたら主役は女なんだろうなっていうのをハガネの女を見てると考えたりします。


離婚同居。最後の方にギュッと詰め込みすぎな気もしないでもないけど。想像よりは良かったかなー。子は鎹、添い遂げた人間の愛の教示、計画通り、再婚しないでよかった。


月の恋人。かなりチャレンジングな脚本なんだけど、上手く回ってないなー。キムタクだとやっぱ彼のドラマって印象が強いのに、彼の内面は描かず彼を取り巻く攻略可能女性の物語を体験する主人公っていうギャルゲスタイルは無理があるのかも。


三代目明智小五郎。今までは小池里奈がかわいくて田辺誠一のキャラがそれなりに立っていればいいアイドルドラマ然とした内容だったんだけど、最終回はそこそこ面白かった。探偵はともかく怪盗って仕事じゃねーし。謎、推理、ミステリーってなにかね。的な相対化をゆるーいダークナイト問題として探偵と怪盗の共犯関係をサクっとモラトリアム中年に繋げてフェイドアウト。それを現代が必要としていない事を掘り下げない代わりに明るく纏めた感じで印象は良かった。それと来週から始まる土俵ガールの番宣が色々ヒドくて確実に見る(のぞみんがカンカン帽被ってはっけよい


同窓会。きっかけさえあれば壊れるような生活しか作れない原因は個人に帰結しないので結婚制度は欠陥品ですみたいなイメージが残ったんだが。それにしても編集長がポエム書き出したら末期だよな。死ぬ直前だからいいのかそれで。俺もポエムをひとつ。現状に満足してないならきっかけは自分で作ればいい。だけどそれには誰かの生活を自分の意思で変える責任が伴う。でもそれは代償なんかじゃなくて意外と楽しいもののような気がする。責任を果たすために走った一年は一番充実した一年だったんじゃないだろうか