セクシーボイスアンドロボ 第四話

細部とコアに一㍉のブレも無いまま、超クリティカルな細部ばっかり。その一つずつで、一話作っちゃうドラマが多い中、凄い大盤振る舞いだよ。何これ。
この後今日のアクセス(TBSラジオ)バトルテーマが『フリーター派遣社員で組織する労働組合の呼びかけで、きのう、フリーターたちがデモ行進』だって。もう凄いな、まいっちゃうよ。
じゃあ、言いたい事が沢山あるので、まとめないままでザックリと書きます。


社会に出て、三角形の面積なんて使わねーよ問題。と、インターネットってのは、誰でも爆弾の作り方がわかる問題。やっぱこの問題って、中学生の心になると二つで一つだよな。自己責任的グローバル社会(笑)では、数学の意味って、結構昔より深刻になってるのかも。実存主義馬鹿。


名古屋のタクシー全面禁煙が頭をよぎる、ポイ捨ておっさん。流れ的に、市川実和子がした悪い事に、同調した人は多かったんじゃない?まーつまり、あんたも爆弾魔で、悪いのはタバコじゃないって。この後のシーンで、浅丘ルリ子が堂々とタバコ吸ってるのは偉いなぁ。タバコも許せないなんて、心に余裕がないんだな。何で余裕が無いかというと、社会に選択肢が殆ど無いからなんでしょうね。メインの悪い所の報道が多いですし、サブの話なんて、余裕のある奴のものとかになっていっているんでしょう。ギスギスしてて嫌ですね。メインの弱い世の中に、サブ(カル)が強くなる訳無いでしょうに。この前書いた、月9 問題と一緒です。


警察のところは一応、公的権力側がサブの気持ちを踏まえない、実存主義馬鹿の権化って感じで、描かれてましたね。


ネットカフェ難民。じゃあこの後、就職氷河期世代の話だわな。しかもここに香山リカ先生の提唱する30代鬱(鬱なのに、自分を責めずに、他人ばかりをのせいにする)の症状が絡んでくる。うわぁ、スリリングですね。この症状も結構痛い筈なんだけど、中二病って言われて、TVでもネットでも問題視されないだろうな。確かに、現状では我慢するだけ損なんですよね、抗議、組合、デモで発信しないと、怠け者扱いだから。日本の選択肢ってもう全然無いんだよ。無駄なカードばっかり。んで、僕はその無駄なカードが好きなばっかりに…
えー、その対極(唯一残されたのが実存主義)にあるのが『三角形の面積』と『爆弾の作り方』なんですよね。


「誰かが喜んでる時は、誰かがが悲しんでる」
教授の側も、抗議、組合、デモされるかもしれないっていうデフォルト。被害者も加害者も、実存。間違えていると思ったら、訴えなくちゃいけないのかな。絶対に罪を負わせて償わせないといけないのかな。「自分さえよければそれでいいの?」問題。この流れだと、関係性の中に埋没しちゃうと思うけど、多分、自己責任的実存主義に (『三角形の面積』と『爆弾の作り方』)『フリーターたちのデモ行進』に、タバコが嫌いな皆さんに、就職氷河期世代に、30代鬱患者に、グレンラガンのプロデューサーの仕事を止めさせた人たちに、全てに「自分さえよければそれでいいの?」って言ってるんじゃない。


一美ちゃんがこのドラマでは最強。それは多分、一美ちゃんだけが、唯一揺るがない"正しい"存在だから。このパートで、ロボが田中三号に。


「この人溜め込んで無いじゃん」
幾ら爆弾を爆発させても、溜め込んだものは吐き出せなかったのに、花火を爆発させたら吐き出せるって事。同じ爆発でも、何が異なっていたのか。まず、『ごめんなさいの価値』ってやつだって思った。最近だと、不二家とか西武とか、何とか原発とか、もうちょい前の自殺した児童の家族にごめんなさいとか、JR福知山線脱線事故の乗客の家族にごめんなさいとか。謝るって事と、罪を償うって事が別になっているからね。で、ドラマとはちょっと違うけど僕が思うのは、いくら心を込めて謝罪しても、全身全霊で謝っても、本当に伝えたい相手にはいつも伝わらないって事。心を込めても、具体的に保障をしても、裁判でどうにかなっても、謝らなくっても、覆水盆に返らず。どうしようもないんだよね。じゃあ何もしなくてもいい、謝りもしない。って所が、自己責任的実存主義の限界。『でもやるんだよ(根本敬)』。教授は「この事がバレたら首にされてしまう」って、教授にとってそんなに大切な"仕事"が、生徒にとっても大切な"仕事"だって事なんだけど、最後まで教授はそのことが解らないままなんだよね。ここ脚本がカッコつけないのは偉い。
数学が出来ると、爆弾も花火も作れるっていうね。


爆弾の影響で、おしり喫茶が人気に。そこには、恨みとか、憎しみとか、善意とか、良かれと思ってが、全く存在しない。
取り返しの付かない場所には、何時何処で誰が行くハメになるのかは分からない、だからこそ守るって実存主義にハマる。そっちに行きたくないのは、ネガティヴキャンペーンのワイドショウ見てれば分かるけど。それでも行った時にどうするかって問題と、どうやって帰ってくるかって救いが、実存主義は見えていない。勿論そちらの側の気持ちなんて分からない。というか、分かろうとしない。教授みたいに。だからって誰かを恨んだって元には戻らない。タイムマシンはまだ開発中なんだから。生きる為に。


堪忍袋欲しいなぁ。なんの解決にもなって無い所がいいな。これ完璧に解消されちゃうと、エネルギー(創作とかの)って溜まらないからね。