セクシーボイスアンドロボ 第一話

ニコが「もし○○してなかったら×3」って遡って行って、「私のせいだ」って言った時に。「そうよ、あなたのせいよ」なんて言われたらたまんないよ。ネットで生きてれば繋がらないで、人に迷惑をかけないで生きていけるなんて。どうにかして顔と名前をセットで漏らさないように生きているなんて。一応インターネットでBLOGやってる自分も、誰も彼も「そうよ、あなたのせいよ」。膝から落ちた。


家の匂い、カレーの匂いってのは、『ドラマでそれをやる』ってものあるかもしれないけど。自分的にはそうじゃなくて。もっと肉体的に匂いが感情を揺さぶる事。マジでカレーが食べたくなる。


塚本お父さんが「お前等育てないといけないしな」って言った時に、「そんなの、いい訳だよ」って言ったじゃない。まぁ、その後もう一回繰り返すんだけど。中学生にそんな事いわれたら、たまんないよ。勘弁してくれ、どんだけ肉薄してくんだ。俺だって「そんなの、いい訳だよ」。だって本当だもん。


後、ロボが何回も何回も「中学生の癖に」「中学生なんだから」って言うのがステキすぎる。今までどんな言い回しでどんな文脈で言われても冗談というか、通じなかったんだけど、何か、大人と中学生が、今まで絶対無理だと思われていた場所で繋がった気がした。中学生の狭い宇宙から、一歩出た宇宙でボーイミーツガールする事が、ニコとロボを繋げた。って宮台的には、言われるのかな。でも、それは大前提でしかなくて。それだけじゃなかったモノが見えたんだよな。「面倒なことは聞きたくないと思ったから」って言われちゃったもん。「大人に気を使うなよ」って言われちゃったもん。これって、古谷実作品に対する、真っ当な相対化になってる気がする。
そん時にロボが泣くんだけど、やっぱ、現代の物語は男の子が女の子より先に泣くんだなと思った。あの時点で、ニコの涙は、代わりに一回流れてるのかな。よく分んないけど。


後、岡田くんが「俺も牛に餌上げるし、牛好きだよ。でも俺がいい人に見える?」ってのなんか、パーフォーベンのブラックブックかよ、と。自分的には、プチ宗教とか、アプリケーション化する断絶みたいなのを書くつもりだったんだけど。宗教が「宗教」だからって、端から全否定するのは、宗教を妄信するよりも性質が悪い。「宗教嫌い教」でしょ、みたいな。そんなこれはダメカードばっかり溜め込んでも、どんづまるよ。ってのは、リハビリ可能かを考えてたのに、これも先にやられた。


TVの使い方が、毎回良い感じにギャグに見える按配なのが、絶妙すぎて、どうやってるのか気になる。お母さんの話とか楽しみ(あるなら)。
極限状態じゃなくても「生きたい」自分に気付く、家族をやしなうパパ。岡田・ルリ子組織は、極限で気付く。