ヴィジュアル系の起源。

http://d.hatena.ne.jp/negative-naive/20070328#1175118988
確かにBUCK-TICKの立ち位置って独特だ。
ここで言われている英国系/米国系という括り以外にヴィジュアルと言うからには、写真が与えた影響と言う視点から考えてロッキンf系/FOOL'S MATE系という風に分けると、BUCK-TICKは、FOOL'S MATE系だったように思う。
例えば、ロッキンf 1991年2月20日発売の、[ロッキンf別冊 ストリートロックシーンの恐るべき子供達]ってのが、うちにあったので見てみると、BUCK-TICKが全く載っていない。
しかし、1991年のBUCK-TICKはというと、2月21日に5thアルバム『狂った太陽』のリリースをしている。しかも『狂った太陽』は、オリコン2位まで行っているアルバム。にも関わらず、このシカトっぷりは凄い。
これは、個人的印象になるのだが、顔だけで演奏力の無い、お茶の間バンドと思われていた為だと思う。『X』『BY-SEXUAL』のように利用していたとまでは言えないが。少なくともTVに積極的な方だと思う。TVの影響も今後考えていきたい。


それと予断になるのだが、巻頭がかまいたちで次がLADIES ROOMとルックス的に繋がりがあるのだけど、その後のZi=killの写真が全く違いすぎる。同じ雑誌に載っているとは思えないくらい美しい。この1991年の時点では、『Zi=kill』『VIRUS』『STRAWBERRY FIELDS』『EX-ANS』そして『D'ERLANGER』の写真は、他のバントと一線を画しているように見える*1。これは、『DEAD END』*2系譜と私は捉えている。そして、『DEAD END』は、バウハウス、JAPANそして、THE SMITHSの影響を公言していた筈で、ニューウェーブを取り扱っていたのは、ロッキンfじゃなくて、FOOL'S MATEだった。Zi=killは、どちらの雑誌にも載っていたと思うが。世界観にもコダワリのある退廃的な様式美を持ちながらも、高い演奏力を持っていたという証になるだろう*3


思い出を引きずり出してみると、ロッキンfは、演奏側視点の雑誌だった。広告は楽器が基本で、LIVEレポート等は、楽器の種類、アンプの種類、エフェクターの配置といったような、ミュージシャンサイドの雑誌。ある意味、硬派な雑誌だったのに比べ。FOOL'S MATEは、軟派な雑誌だったのかもしれない。写真は多いし、楽器の広告よりも、リリースの広告、また通販取り扱い店のカタログ。LIVEは、客視点の感想のようなものが多い。
それは元々、ロッキンf創刊号の表紙がジミー・ペイジである事から分るように、ハードロック色が濃い雑誌だったのに比べFOOL'S MATEは、アングラ雑誌だった為だろう。その証拠に、現sse communications。その前進とも言えるトランスレコード*4ロッキンfに載る事は無かった。それもその筈、FOOL'S MATEの初代編集長はYBO2のフロントマンでもある、美形男子の走り北村昌士氏だ。

私見ではヴィジュアル系というのは「〜系」なのであって、源流から傍流までの膨大な「連なり」の様相を示すものでしかありえないのではないか

上記したURLで語られている、このようなヴィジュアル系というジャンルの捉え方は、非常に共感できる。ヴィジュアル系を定義して厳密に規定する事は、そもそも出来ない。いや、難しい。だが、インディーシーンの歴史を語る上で、ヴィジュアルを無視する事は出来なくて、灰野敬二裸のラリーズ、不失者、三上寛等のアヴァンギャルドも、独特の世界を持った様式美としてビジュアル系の物語には重要な登場人物だと思うし*5。トランスレコードに関しては、フールズの編集長と言う事だけでも充分だが、その時代を知る大槻ケンヂも認めている通り、完全ヴィジュアル系だと思う。こういった部分もフォローできる誰がが歴史を構築してくれると嬉しい。

ポジパンやゴシック文化には強いオリエンタリズムがあったり

有名なポジパンバンド『JAPAN』という、そのバンド名しかり、坂本龍一土屋昌巳が参加した事。デヴィッド・シルヴィアンミック・カーン親日家である事からも同意です。

日本のパンクから英国のパンクへの影響もあったりして、

Sex Pistolsを始めて聞いたCharが、これ村八分じゃねぇか。と言った有名なエピソードがある。ちなみにピストルズは1976年デビュー、村八分は1973年に解散しているので柴田和志や山口冨士夫ピストルズを聞くことは出来ない。


何度も言っていますが、メタルと言うのはアメリカではなくヨーロッパが発祥の地で、一番シーンの層が厚いのもヨーロッパ。これは、正式名称[NWOBHM](ニューウェーヴ・オブ・ブリティッシュ・ヘビーメタル)という名前からも明らかです。そして、メタルとはニューウェーヴの進化の形だと言うことも、このことから留意して置くべきだろう。

ヴィジュアル系の起源2。

http://d.hatena.ne.jp/matuoka/20070329/1175134196

「萌え」が厳密には漫画のジャンルを表している訳ではないように、

萌えもジャンルの規定に見えるけど、世界を限定しない言葉だ。どうしても引きこもり理論で、萌えとV系を結びつけて考えてしまう。


SHAZNA問題の話でいえば、昔だったらAURAってバンドが居たんだけどなぁ…と思う。その為か、一瞬だけSHAZNAのギターAOIは、AURAのたつまきのピーだ。という噂がたった事がある。IZAMが、芸能人になっちゃったからねぇ。でも、これって、ZEEBRAがkjを批判するのと同じで『俺がハードコアだ』合戦になっちゃうから、言い回しが難しい。


『東のX、西のCOLOR』という言い回しが懐かしすぎて、ブルッときた。スラッシュメタル合戦みたいなノリで、どっちの方が早いとか、ファン同士で言い合ってたとか。早きゃいい!みたいな時代のノリってやつ。


ヴィジュアル系を、そんな言葉も無い時に一つの形として完成させたのは、D'ERLANGERで。もしD'ERLANGERが居なかったら、黒系ヴィジュアルは、10年遅れたと思う(多分)。

ヴィジュアル系の起源3。

http://d.hatena.ne.jp/quon913/20070329/1175157480
何か今日凄い面白いサイトが沢山書いてて楽しすぎるんですけど。
ここのサイトによる、ヴィジュアル紀元前説ってのでまとまり出した。初期のエクスタシー、フリーウィルの構図は紀元前で、BUCK-TICKに影響を与えたのはナゴム・トランス。だが、その美意識への意味合いは異なる。と言う感じだろうか。うーん。トランスの美意識は結構、今のヴィジュアルに繋がる気がしてるんだけどなぁ。

この時代、ステージで化粧するのはなにも特別なことじゃなかったし。

確かにそうだったと思う。バンド=化粧するだった筈。
DEAD ENDが1984年。トランスも80年代中期。であり、70年代中後期であるニューウェーヴ。またノイズ、ハードコア、ポジパン*6の影響ってのは、かなり信憑性があるっぽい。その後にナゴム・トランスって時代が、その後の黒系に影響を与えたのかな。


まとめに続く
http://d.hatena.ne.jp/ATOM-AGE/20070330/1175196880

*1:そして『Eins:Vier』『LUNACY』『VELVET ENDROIT』『Z.O.A』の写真もこの系統に見えるが、扱いは小さい

*2:特にMorrie

*3:この雑誌に初期のTUSK&KENの写真があるのだが、初期『X』のようなGuns N' RosesやHANOI ROCKS系のメイクだ。そしてハノイは、ロックンロールとパンクを足したオリジネイターとしても有名であり。その影響を受けている事で有名なバンドはZIGGYだが、XもGUNSもハノイの影響を受けている事から、ただメタルと割り切る事は難しく。そもそもメタルとはニューウェーヴなのである。この事から、US/UK、ロッキンf/FOOL'S MATEがぐるりと一周してしまう事が、簡潔に纏める事を困難にしている事の理由でもある

*4:YBO2、Z.O.A、ASYLUM

*5:その流れの中で言えば、ゆらゆら帝国なんて思いっきりヴィジュアル。しかも黒系

*6:ここら辺まとめて、ノーウェーヴって言う気もする