ヴィジュアル系の音楽的批評

そういや、ヴィジュアル系の音楽的批評って、どの程度意識されてるんですかね。例えば、PIERROTに対して、インダストリアルを人力で再構成する、いわば、アンチBUCK-TICK的な批評的脱構築ですよね、今回のアルバムは。みたいなインタビューってヴィジュアル雑誌で行われてるんですか?例えが古くてごめんなさいね。なにせ、おっさんなもんで。今が、辻砂織的な価値観の先にある世界なら、雑誌の批評性をスポイルしてしまった側面ってあったりするのかな。なんか純粋な音楽感想はみるけど、ヴィジュアルを音楽批評で語るシーンがない気がして。俺が見てないだけかもしんないけど。なんか、ヴィジュアル系だから顔がいいのは当然だし、って開き直ってばっかりで、FOOL'Sだって昔から、かっこいい外人さんを愛でる視点をごまかしてるようなところもあったし。俺だって顔がいいバンドの方が好きだけど、ライターがそれを助長してばっかでもね。あと観念的な言葉のライナーとか、アーティストに頼りっきりのインタビューとか、あっても相対的なシーン分析ばっかりじゃ、つまんないんじゃないかなー。音楽を作ってるわけでもない人間が嘆いてばっかりで、おめーが観念的な事ばっかで碌なもん書けねーからシーンが飽和→形骸してるとか考えないの?みたいな事は、やり取りされてるの?ここにおいて、読者が望んでないって言い訳は無しね。そういうのって、どインディーバンドでもBLOGやってる現状で役に立たない言い訳になっちゃう。


追記:ヴィジュアル系のビジュアル面について、音楽にビジュアルの要素は関係ないとは思っていませんし。むしろVOCALOIDや、Perfumeが既に公のものである世界において、個体認識された人を売る音楽の消費構造は、興味深いテーマです。またPerfumeに、より顕著ですが。VOCALOIDのイメージイラスト消費であるとか、矢面に上がるビジュアルの価値ってむしろ上がっているとも言えます。とはいえ、最近はメイクや写真の撮り方もパターナライズされちゃってて、誰でも一緒みたいで、むしろVOCALOIDや、Perfumeと同じじゃねという言い方も出来ます。だからといってロックは顔じゃねーおじさんも最近はとんと身を潜めていて、メイクしてりゃなんだってヴィジュアル系じゃねーから。みたいなことも言いたいですし。とはいえまだ、某LOUDPARKのDirヘイト問題だとか、某サマソニに出るって決まったわけでもないDirヘイト問題だとか、ヴィジュアル系そのものの認識というものは、まだまだフラットとは言えないでしょうけども。
何が言いたかったかというと、ビジュアルイメージ消費からの視点でも批評的には語れるだろうし、ホストメイク(ヘアアレンジとか)や、この間のガッくん小悪魔agehaアプローチだったり(このがっくんは、囲碁でいう布石っすよね。さーV系女形業界どーする)、昔からあるファッションヤンキー視点だったり、ジャンル横断型の広義な批評なんて出来るんじゃないでしょうか。特に男→女リビドーは絶対外せないし、萌えなんかいくらでも絡められる。そこで音楽とファッションの関係性が批評的である事だってあるでしょう。なんか、ヴィジュアル系の語り口って硬質化してる割に、まだ手付かずの切り口がありそうっすよねっていう。