バランサー理論で考えた、漫画選択

漫画は中身を見ることが出来ない事が往々にしてあるので、雑誌の連載を読んでいない以上は、表紙や絵で判断するしかない部分がある。だが、その内容の良し悪しを語る場合、その物語に偏る傾向が見て取れる。漫画を読むのは今や子供に限らないが、読む為の時間を掛けられる環境を含め、子供の多くが漫画を愛好している事は事実であり、その少ない小遣いから漫画を買う時に失敗などはなるべくしたくはないものだ。しかし、失敗はしてしまうもの。その落とし穴は、冒頭に書いた表紙の絵で判断する所にある。絵も物語りも面白いものが理想だが、正直言ってそれはもう既に売れている為、簡易に分かりやすいだろう。だが、長く同一の文化に触れていると、売れているものだけでは満足いかなくなるものだ。そこで、私は絵の下手な漫画を買う事をお勧めする。名前を知らない作家の作品を表紙で選びがちなことは、前述したとおりだが、漫画家でも目指していない限り、これはお勧めしない。それは、これまた前述したとおり、内容の良し悪しは物語で語られるケースが多いため。まだ売れては居ないが、連載されているものは、大概、絵が上手いが内容が平凡なものと、絵は下手だが内容が非凡なものに分かれていると思っていて。そのうち、絵が上手いが内容がアレな場合は、原作をつける事が多い。原作が分かれば、その原作や原作家を調べ、傾向を探る事が出来るので、原作家付きの絵の上手い漫画はお勧めできる。そして、絵が下手だけど話の面白い漫画これは読まないと分からない部分が多いので敬遠されやすいのだが、それなりに面白い保障があると思う。それは、絵も話も駄目なら、そもそもプロになどなれていないからだ。つまり、絵が駄目だと言う事は、その話にきらりと光るものがあるケースがとても高いといえる。例えば、古谷実榎本俊二は、最初の頃絵が余り上手くなかったが、話が抜群に面白かった。そして、今や二人とも絵もかなり上手くなっている。しかし、雰囲気があるものは、絵のほうが評価されている事もあるので気をつけてもらいたい。また原作が付いていて絵の下手なものも恐いといえる。これが今回のカイジのバランサー理論で考えた、漫画の選択方法だ。その福本信行も絵が余り上手くはないが、話が抜群に面白い作家の一人であるが、いまだに絵が変わらない。しかし進歩していない訳でもなく、その進歩の方向が、福本信行系であるというだけだ。それどころか逆にもうあの絵じゃなくては駄目だというものまでいることだろう。これは、樋上いたるなどにも同様のことが言えるのかもしれないが、絵と内容の新密度の話になるだろう。