ヴィジュアル系について語ります。大人として。俺が。
ヴィジュアル系を聞く事は、それだけで悪い方に、本人の人格を決定されてしまいかねない。冷ややかな視線で、可哀相な思春期の少女が妄想に陥り…そしていずれは聞かなくなる。
ちょとまて。30近いおっさんで、演奏している側の立場は!?
タワーやエイチに行って、ヴィジュアルのＣＤは余り良い待遇だとはいえない。
勿論、相当数の名前がきっと欄分けされていると思う。が、無い。補充されてない。平積みなんて全く無い。インディーのバンドになれば、端っこの方に｢こんな所に居てスイマセン｣とでも言わんばかりにひっそりとしている。見かける事さえできない店もある。しかし、それとは逆にヴィジュアル系しか置いていない店がある。
例えばライカエジソン(通称ライカ)。昔のライカは灰野敬二とか、非常階段とか突然ダンボールとかもラインナップにあったのだが。そして、違和感も特に無かった。
V系専門誌という括りの雑誌は、ヴィジュアルの一本立ちではなく、隔離として機能している。彼等は黙っているのか？綺麗にお化粧したグラビアよりも、もっと他にあるんじゃないか？ヴィジュアルはその歴史とともに多様化し今や、その核を無くしたまま、あての無いゴールヘ向かいさまよっているのだろうか。メタルブームとの併願で、もうちょい盛り上がらねーかな。いくらドイツでディルが流行っても、日本のフェスに出たら、ブーイングされるでしょうに。そこら辺は、もうちょいどうにかできると思うんだけど。
遡ると、きっとDEAD END辺りに行き着く。Mr.KITE・FRICTION・Mirrorsとか東京ロッカーズの話もホントはしなくてはいけない筈だけど、昔はよかったという話はしない。ヴォーカルのモーリーは、JAPAN・バウハウス・スミスの主要メンバーを足して、ぐちゃぐちゃにしたような男だった。というわけで、FOOL'S MATEにDEAD ENDが載るのは必然で*1その後のフールズを、暗黒に巻き込む起爆剤でもあったわけだ。
DEAD ENDにも顕著だったデヴィット・シルヴィアン節が
俗に聞くヴィジュアルのメロディの基盤になり。見た目も黒系が通俗になる。
その後、ハードコアとメタルに分かれていくが*2
同時代の、有頂天を含むナゴムレコードや、ウィラード、ラフィンなど
パンク色が強かったり、ちょっと変だったりなバンドも
音楽的に取り込まれていき、DEAD ENDは、
LOUDNESS、ANTHEMとは、一線を画した魅力を放つ訳です。
そんな中、誰もが知ってるXと言うバンドが産まれ、
ヴィジュアル系のゴールを視界に入れます。
アメリカンロックや、HR/HMの要素をかなり噛み砕いた
メロディー重視のスラッシュメタルは、インパクトがでかく
そして、見た目も黒服から、急にハデになり髪を逆立て
メイクもおかしかった。いや、全体的におかしかった。
それには、パンクのエッセンスが影響していて
パンクを曲解した、ニューヨークパンク以降に
HANOI ROCKSのような、現在のヴィジュアル系にも
直接影響が見えるようなバンドも、多々生まれ
それと、DEAD ENDを合わせて*3
サディスティカル・パンクとか、勝手に言っていた訳です。
つまり、Xはヴィジュアルの歴史(ヨーロッパ直系ゴス)ではなく、
パンクの歴史に刻まれるべきなのですね（HANOI ROCKSもな）
そして本当の意味で、ヴィジュアル系が始まったのは
D'ERLANGERの登場からだろうか
と、この辺りまで書いた所で
三年ほど、寝かしてしまったのですが。
最近のヴィジュアルの音も聞いたりして
なんだか、書かなくてもいいかなと
両方の意味で思ったりしたのでした。
でも、ヴィジュアルの歴史を
誰かが、綺麗にまとめる事も必要かな
とか、いまだに少し思ってます。
ジャンルが出来る前の音楽が、どんだけ楽しいかを伝える手段として
ヴィジュアルは、とても効率的に機能してくれると思うのですが。
それだけに、まとめるのが大変なんだけど。
D'ERLANGER以降は、結構簡単でつまらない気がしてね。指が動きまへん。
そんな感じで、この流れでは続きは書かないと思うので
上の文章に入れてある、
トラップのうちの一つをキチンと断っておきます。
ニューヨークパンクの時代を意図的に
間違えているのですが、それはポジパンを消す為です。
ニューヨークパンクと形容されるジャンルは
ロンドンパンクよりも先で、その先にポジパンがあります。
歴史からポジパンを消さないと、
ヴィジュアルについて伝わる様に語れないと
この頃は感じていました。
これは、ヴィジュアル系の外見と音楽性を
どうしても切り離して語りたかった為です。
勿論、その流れでニューウェーブとノーウェーブも
ほぼシカトしてますが、
ノーウェイヴ系のノイズミュージシャンを
都合よく拝借させて頂いていて、
そこでも上手く機能させていくつもりでした。
そういや、どっかでPIXIESは、オシャレか？
みたいな話しを、誰かがしていて、かなりビックリしたんだけど
面白いなと思って、この昔のデータを思い出したのです。
