彼は何から逃げていたのか

長崎市の種元駿(しゅん)ちゃん(4)誘拐殺人事件である。
様々なタイプの友達と居てももれなく、この話題に触れる。
して、俺は周りのいろんな話を聞く事になる。避けるほど自己中ではない。
先に自分のスタンスを明らかにしておこう、こんな事を言うと怒られるかもしれないが
実は今回のこの事件、さほど興味が無いのである。
事件に対して言及し、思考するように頭が働かないのだ。
しかし例によって、様々なコメンテーター・○○評論家・友人辺りまでは
事件に対し、自身の内的心情に照らし合わせ、
何らかの理由をして彼らを語らせるに到っているのである。


TVを付けない事によって避けられる事象以外。まあ友達である
によって無理にでも考え無くてはイケナイ時間が、多少生まれたので書いておきたい。
コレが今回の動機ではない。
しかし、それを持って周りの状況の理解とともに、疑問が生まれた。
というか、違和感を覚えた。最初はそれでも良かった。
相手に合わせて、だいたい相手の欲している答えにそった、
っぽい話しに乗っかっていればそれで、場を繕えるから。
しかし何回も何回も、違う相手なのに、同じような話をしている事に疲れてしまった。
それと、完全に俺が悪い。自分で蒔いた種なのだが
意見を求められるのだ。この事件についてどう思う?と
いままで起きた、猟奇や低年齢の事件によってついてしまったキャラのおかげで
 さあ、話せよ。なにか言いたい事の一つや二つあるんだろ?
的な話を振られるわけだ。しかも旬だし。
しかし、今回はまったく意見が無い。困ったものだ。


俺は、上記のような事を経て、ある程度知識を詰めなくてはいけなくなった。
いや、べつにイイのかもしれないが…
そして調べた所によると、何とまた少年法を改正する動きが
酒鬼薔薇の時より数段少ないとはいえあるらしいではないか。
まぁ、俺が言わなくてもTVで言っていると思うが、臭い物には蓋である。
とはいえ、少年法は多分改正されないだろう。
そして当然の事ながら、犯人への極刑の要求。
さらには、親を市中引き回した上で打ち首とか誰かが言っていたらしい。
気持ちは、分かる。確かに犯人は何らかの方法で、罪を償うべきだ。
一生かけても償いきれない罪かもしれない。
そしてそれ相応の親への処罰もあっておかしくは無いと思う。
そう、気持ちは分かるのだ。
でも今回調べていて、最初に感じた感情を記すと、犯人が可愛そうだなと感じた。
それは、逮捕方法の事や、親まで受けている社会的軋轢の事
そういったものではない。犯人が低年齢と言う事もあって、彼の情報は中1の12歳と言う事だけだ。
だから、彼の家庭環境やトラウマの話(ショタに到った訳など)をしたい訳でもない。
ただ、かわいそうだと思ったのだ。何で彼は、こんなに責められているのだろう?
勿論、幼い命を奪ったからだ。そして勿論、ショタも殺人も俺には理解できない。
しかし、何か的外れな責められ方をしているような感触にちかい。
何か、学生の頃感じた何でこの先生は、怒っているの分からない感じだ。


幸い俺は犯罪暦は無い。死を直面するような状況以外で確実にありえない。
そして俺と彼が、似ているみたいな事が言いたいのではない。
実際彼は成績も良く、教師に煙たい顔されるような問題児では無かった筈だ。
しかし実際に罪を犯し、コレから長く苦しい生活を強いられるのは彼の方だ。
同情や悲哀の感情以外で、俺は彼の幸せを祈る。
そして悪いのは彼だということだ。親でも社会でも無い。